“ノアの洪水によって図らずも流され、道端に置き去りにされた巨大な石の塊”

“安田が明確な意志を持って作品を造っているのは疑いないが、幸せなことにその作品は芸術作品を創ろうという気負いを感じさせることなく自然に創り出されている”

“安田の彫刻の意味は、その彫刻と対峙し、黙想することによって私たちの心の中に創り出される変化にある”

“安田侃の造形は、ある状況のなかで時空にかかわる無限を一瞬のうちに現存化させようとする”

“侃の彫刻は、それに接する人々に、彼ら自身の解放され、くつろいだ自我を、知らず知らずのうちに取り返させるのである”

“彫刻が季節を通して自然と語らい、絶えず変容する環境に調和することを教えてくれた”

“何をも表象しない作品は、あらゆるものを内に籠めていると言える。彼の作品は、ただ一つの「意味」さえ持たずして、時によっては十万もの刺激を与え得る”

“自然と離れるでもなく自然に没入するでもなく、自然と一体融合の中でこの瞑想性が生まれたといえよう”

“大理石の白色やブロンズの暗色は色を変え、太陽の光に輝き眩しいばかりの光となる”

“魂は形をもたない。しかし、安田の作り出す「形」は、それを見、それに触れる人に、魂の存在を確信させ、その魂を通じて、あらゆる人の心がつながってゆく”

“安田侃は、彼がこの地の大理石に刻み込んだ純粋さそのものを通して、我々をその根源に誘っているのです”

“風景が芸術に、芸術が風景になる、それも極めて瞑想的に新しい自然の空間をつくり出す瞬間に立ち合うことができる”

“安田は純粋な形を作り出し、謙遜と限りない心配りをもって不変の絶対性である彫刻を街に置いた”

“侃のそれは非常に例外的な詩的ミニマリズムである。彼は時間—自然の二つに美学的秩序を生み出す視覚的な詩を編み出す”