時が集積されるなか、出来事は地の底の暗闇に埋もれ、記憶の層に沈む。
わずかな断片だけが、潜在する無限の内なるエネルギーとともに秘かに保たれる。

彫刻のエネルギーは、置かれた場のエネルギーと響きあい、互いが育み、昇華していく。
場は磁場となり、場のエネルギーは長い眠りから目覚めた。


私の彫刻を見て触れる人は、その外観に留まることなく、時の流れを感じるだろう。

その場の深淵から立ち上る、声なき声を辺りに感じるだろう。
あたかも今に現れる過ぎ去った時代の堆積に触れるように。

安田侃